2025年10月下旬、エンタメ事業を中核とするモブキャストホールディングス(モブキャストHD)が、暗号資産「ソラナ(SOL)」の大量取得を発表し、国内企業によるWeb3領域への本格参入が注目を集めています。同社は10月24日から段階的にSOLを取得し、10月31日時点で累計で約5,177SOL、総額1億5,300万円相当を保有するに至りました。この動きは、単なる資産保有という枠を超え、Web3インフラの構築とバリデーター事業への本格参入を視野に入れた戦略的布石です。
モブキャストHDは、今後「ソラナ・バリデーター事業」の垂直立ち上げを目指しており、早期に10,000SOL規模の保有体制を構築する計画を明確にしています。バリデーターとは、ブロックチェーンネットワークの安全性や信頼性を担保するための重要な役割を担う存在であり、これにより同社はソラナネットワークの根幹に直接関与する立場へと進出します。取得資金の原資は、10月3日に発行した新株予約権の行使により調達されたもので、5億円をSOLの購入に充当するとしています。
この戦略は、単に資産運用にとどまらず、自社のバランスシート上にデジタル資産を保有・運用する「デジタル・アセット・トレジャリー(DAT)」企業としての新たなビジネスモデルの確立を目指すものです。また、SBIグループ傘下のBITPOINT社との業務提携も発表されており、ソラナ・トレジャリー事業の推進を加速させています。
グローバル市場では、香港でソラナ現物ETFが承認され、北米市場でもETF承認への期待が高まるなど、ソラナへの注目が一層高まっています。モブキャストHDのこうした動きは、日本のWeb3業界に大きな波紋を投げかけており、他の日本企業にとってもWeb3領域への参入の指針となる可能性があります。今後、同社がどのようにバリデーター事業を展開し、Web3インフラの構築に貢献していくかが注目されます。



