にじさんじ時報、日本各地の大型サイネージで放映開始――VTuberが街の朝と夕を彩る新プロジェクト
日本最大級のVTuberグループ「にじさんじ」が所属ライバーの七瀬すず菜さん、不破湊さんを起用した新コンテンツ「にじさんじ時報」の街頭放映を、東京・渋谷と大阪・道頓堀の大型サイネージで2025年10月26日よりスタートさせました。これは、全国のファンや街行く人々に、バーチャルライバーたちが「1日のはじまり」と「1日の終わり」に直接寄り添う、期間限定の特別企画です。
プロジェクトの狙いと背景
「にじさんじ時報」は、バーチャルライバーたちの普段の活動拠点であるインターネット配信プラットフォームを飛び出し、リアルな都市空間へと進出した試みです。コロナ禍以降、リモートワークや配信文化が当たり前となった現代社会において、人と人との“日常的な触れ合い”の価値が見直されています。そんな中、バーチャルとリアルをシームレスにつなぐ新たなコミュニケーション手段として、街角の大型サイネージでのVTuber出演が企画されました。
このコンテンツは、通勤・通学や仕事帰りなど、人々の日常的な行動パターンに寄り添い、“時報”という日常の一部を、バーチャルライバーのキャラクター性と温かなメッセージで彩ることで、ちょっとした“非日常”と“癒し”を届けることを目的としています。特に、都市部では日々の慌ただしさから“人との温かな繋がり”を感じにくい現代のライフスタイルに、新たな彩りを加える試みと言えるでしょう。
コンテンツの詳細と実施概要
「にじさんじ時報」は、東京・渋谷の「シブハチヒットビジョン」と、大阪・道頓堀の「ツタヤエビスバシヒットビジョン」で、それぞれ朝と夕方の決まった時間に放映されます。具体的には、毎朝10時に渋谷ハチ公前の大型サイネージで七瀬すず菜さんが登場し、「おはよう」の声とともに1日が始まることを告げます。朝の通勤ラッシュで忙しい人々に、爽やかな笑顔と元気な一言でエールを送る演出です。
一方、大阪・道頓堀では、毎夕18時にバーチャルホスト・不破湊さんが登場し、「お疲れ様」と1日の終わりを労うメッセージを届けます。大阪出身の不破さんが地元の雰囲気を活かしながら、仕事や学業を終えた人々をやさしい言葉で包み込み、心の安らぎを提供します。どちらも、全国のファンや街行く人々にとって“特別な日常”となることを意識した内容です。
この「時報」の放映は、2025年10月26日から11月8日までの約2週間、期間限定で実施されます。これにより、普段はネット配信でしか触れられないバーチャルライバーの魅力を、より幅広い層に届けることができると期待されています。
出演ライバーのコメントと反響
朝の顔・七瀬すず菜さんは、「毎日通っている場所で、たくさんの方と直接(バーチャルながら)お会いできるのがとても楽しみです。朝から元気を届けられるように、精一杯頑張ります」と意気込みを語っています。不破湊さんも、「大阪で育った自分が、地元のみなさんに“おかえり”と声をかけられるのが嬉しい。1日の終わりに少しでもほっこりしてもらえたら」と、温かなメッセージを寄せています。
この取り組みはSNSを中心に大きな反響を呼んでおり、「通勤中に七瀬すず菜さんに“おはよう”って言われたら、1日頑張れそう」「不破さんの“お疲れ様”がほんとに癒される」など、多くの声が寄せられています。また、ネット配信だけでは届かなかった層からも「初めて“にじさんじ”の存在を知った」「街中でVTuberに会えるなんて新鮮」といった新規ファンの声も見受けられます。
社会的な意義と今後の展望
「にじさんじ時報」は、単なるプロモーション企画を超え、“バーチャルとリアルが融合した新しい日常”を体現するプロジェクトとして注目を集めています。バーチャルライバーたちが都市の公共空間に登場することで、これまで“ネットの中だけ”だった彼らの存在が、より身近で親しみやすいものへと変化しています。
この取り組みは、地方創生や観光振興への応用も期待されており、今後はさらに他の都市や地域での展開も検討されているとのことです。また、期間限定とはいえ、その期間中に得られるデータや反響は、今後のVTuber業界全体の可能性を広げる重要なヒントとなるでしょう。
まとめ
「にじさんじ時報」は、バーチャルライバーが街の朝と夕を彩る、まさに時代を象徴する新たな試みです。普段はネット配信でしか触れられなかったVTuberの魅力を、都市の大型サイネージを通じて多くの人々に直接届けることで、バーチャルとリアルの境界をさらに曖昧にし、人々の日常に新たな彩りをもたらしています。期間限定の特別上映ではありますが、このプロジェクトが今後のバーチャルエンターテインメントの新たな潮流を切り拓く第一歩となることは間違いありません。



