愛媛マラソン、2年連続でNFT完走証を発行
愛媛県松山市で開催される第62回愛媛マラソンが、今年も革新的な取り組みを継続します。2025年2月9日に行われる大会において、参加者に向けてタイム入りのNFT(非代替性トークン)完走証が発行・配布されることが決定しました。この取り組みは、昨年の第61回大会で国内フルマラソンとして初めて実施され、好評を博したことから2年連続の実施となります。
愛媛新聞社が主催するこの取り組みは、東京都のスタートアップ企業である株式会社Swandiveとの提携により実現しました。Swandiveが開発したNFT配布サービス「2.99」を活用し、参加者の完走記録を確実に証明するシステムを構築しています。
NFT完走証の特徴と意義
このNFT完走証の最大の特徴は、ブロックチェーン技術を用いていることです。これにより、記録の改ざんが極めて困難となり、参加者の完走記録を高い信頼性で証明することが可能になります。従来の紙の完走証と比較して、デジタル化されたNFT完走証は半永久的に保存でき、紛失や劣化のリスクも大幅に軽減されます。
さらに、NFT完走証はデジタルアートとしての側面も持ち合わせています。参加者の完走タイムや大会の思い出が、独自のデザインと共にデジタルアセットとして記録されます。これにより、単なる記録の証明だけでなく、参加者にとって価値ある思い出のコレクションとなることが期待されています。
取得方法と利便性
NFT完走証の取得方法は、参加者の利便性を考慮して設計されています。特別なWeb3の知識がなくても、GoogleアカウントまたはApple IDを持っていれば簡単に取得することができます。大会当日は、会場内に特設ブースが設けられ、スタッフによる発行サポートが行われます。また、大会後も専用ページ(https://ehime.2dot99.com/claim_later)からダウンロードが可能となっており、参加者は自身の都合に合わせて取得することができます。
この簡便な取得方法により、デジタル技術に不慣れな参加者でも、自身の記録を最新技術で残すことができるようになっています。
今後の展望と可能性
愛媛新聞社は、この取り組みを単なる一過性のイベントではなく、今後のマラソン大会運営の新たな標準として位置づけています。大会参加者や協賛企業向けにNFT完走証の活用サービスを研究し、より満足度の高い大会運営を目指していく方針を示しています。
例えば、NFT完走証を活用したバーチャルイベントの開催や、過去の記録との比較機能の追加など、デジタル技術を活用した新しいマラソン体験の創出が検討されています。また、協賛企業とのコラボレーションによる限定デザインのNFT完走証の発行など、マラソン大会の新たな価値創造の可能性も模索されています。
さらに、このNFT完走証の取り組みは、スポーツイベント全体におけるデジタル技術の活用例としても注目されています。マラソン以外の競技でも、参加者の記録や成果をNFTとして残すことで、スポーツ体験の新たな形を提供できる可能性があります。
地域活性化への貢献
愛媛マラソンのNFT完走証は、地域活性化の観点からも重要な役割を果たしています。デジタル技術を活用した先進的な取り組みにより、愛媛県や松山市の知名度向上や、テクノロジー分野での地域のイメージアップにつながっています。また、この取り組みを通じて、地元企業とスタートアップ企業との連携が促進され、地域のイノベーション創出にも寄与しています。
結論
第62回愛媛マラソンにおけるNFT完走証の発行は、スポーツとテクノロジーの融合による新たな価値創造の好例といえます。参加者の記録を未来に刻むだけでなく、マラソン大会の運営方法や参加者体験を進化させる可能性を秘めています。この取り組みが今後、他の地域や競技にも波及し、スポーツイベント全体のデジタル化と価値向上につながることが期待されています。愛媛マラソンは、単なるランニング大会を超えて、テクノロジーとスポーツの融合による新しい文化の創造に向けた一歩を踏み出したと言えるでしょう。