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トランプ新関税政策が引き金に、暗号資産市場が急落

トランプ前大統領の関税政策発表が引き金となり、暗号資産市場が急落

2025年2月3日、ドナルド・トランプ前米大統領が発表した新たな関税政策を受け、暗号資産市場が大幅な下落を記録した。トランプ氏は、カナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令に署名したことを自身のSNS「Truth Social」で明らかにした。この発表を受け、ビットコインをはじめとする主要な暗号資産の価格が急落し、市場全体に大きな影響を与えた。

ビットコインは一時96,879ドルまで下落し、過去24時間で5%以上、過去1週間で8%の下落となった。イーサリアム(ETH)はさらに大きな打撃を受け、10%下落して2,940ドルとなった。XRPも15%急落し2.54ドルを記録した。この下落傾向は他の主要な暗号資産にも波及し、市場全体が赤字に染まる展開となった。

特に注目すべきは、イーサリアムの下落率が2021年5月以来最大となったことだ。一時27%も値を下げ、2,135ドルまで急落した。これは約4年ぶりの大幅な下落率であり、市場参加者に大きな衝撃を与えた。

この急落の背景には、トランプ氏の関税政策がリスク資産全般への投資意欲を減退させたことがある。貿易戦争の再燃懸念や、世界経済の減速リスクが高まったことで、投資家がリスクの高い資産を手放す動きが強まったのだ。

暗号資産市場の急落は、単にトークンの価格下落にとどまらず、先物市場にも大きな影響を及ぼした。過去24時間で9億ドル以上のポジションが清算され、特にビットコンの先物市場では1億8,000万ドル以上の清算が発生した。これがさらなる売り圧力につながり、市場の下落を加速させた。

市場専門家は、この下落が一時的なものなのか、それとも長期的なトレンドの始まりなのかを見極めるのは難しいと指摘している。BTCマーケッツのキャロライン・ボウラーCEOは、「トランプ氏の関税戦争の影響は市場全体に及んでいる。貿易戦争やスタグフレーション、リセッション(景気後退)を巡る懸念がアルトコインやビットコインに連鎖的に広がっている」と述べ、今後の市場動向に注意を促した。

この暗号資産市場の急落は、トランプ氏自身が支援するDeFiプロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」にも影響を及ぼした。WLFIは1月中旬から下旬にかけて約2億4200万ドル相当の投資をイーサリアムやラップドビットコインなどに行っていたが、今回の市場の冷え込みによって約5100万ドル(約21%)相当の資産を失ったことが明らかになった。

さらに、トランプ氏の公式ミームコインとして注目を集めていた「TRUMP」トークンも大きな打撃を受けた。TRUMPトークンは、ピーク時から75%もの価値を失い、多くの個人投資家に損失をもたらした。トランプ氏自身がSNSでトークンの購入を呼びかけていたにもかかわらず、市場の反応は冷ややかなものとなった。

この一連の出来事は、暗号資産市場が政治的な決定や世界経済の動向に大きく影響されることを改めて示した。今後、各国の対応や世界経済の動向次第では、さらなる市場の変動が予想される。投資家や市場参加者は、地政学的リスクや経済指標に一層注意を払う必要があるだろう。

暗号資産市場は、これまでも大きな変動を経験してきたが、今回の下落は特に急激なものだった。しかし、一部の専門家は、この下落を買い場と捉える向きもあり、市場が今後どのように動くかは予断を許さない状況だ。当面は、トランプ氏の関税政策の具体的な実施状況や、それに対する各国の対応、そして世界経済への影響を注視しながら、市場の動向を慎重に見守る必要がありそうだ。

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