ホームゲーム/eスポーツ国内eスポーツシーンの未来、CAPCOM Pro Tour2025で対決続く

国内eスポーツシーンの未来、CAPCOM Pro Tour2025で対決続く

国内eスポーツシーンは近年急速に成長を続けており、2025年の「CAPCOM Pro Tour 2025(CPT2025)」は、さらなる発展の礎となる重要な大会として注目されている。特に『ストリートファイター6』を軸にしたCPT2025は、世界規模の公式大会として、日本を含む各国のトッププレイヤーが集い、熾烈な戦いを繰り広げている。

CPT2025の大きな特徴として、「プレミア大会」「ワールドウォリアー」「Esports World Cup(EWC)」という三種類の予選イベントが構成されていることが挙げられる。中でも、ワールドウォリアー日本大会は日本地域単独で開催されており、国内選手たちによるランキング争いが展開されている。大会形式は、5回のポイント大会をオンラインで実施。各大会の成績に応じた累計ポイントの上位選手(ポイント1位)と、ポイント1位を除いた上位8名による地域決勝優勝者、計2名が世界決勝「Capcom Cup 12」への出場権を獲得できる体制となっている。

2025年10月26日には、ワールドウォリアー日本大会の第3回がオンラインで開催された。この大会では、さはら選手と鶏めし選手によるハイレベルなグランドファイナルが繰り広げられ、さはら選手がリセットの末に逆転優勝を飾った。鶏めし選手はダルシム使いとして注目されており、その多彩な技術と堅実なプレイはSNSやコミュニティでも話題となっている。このような国内大会の盛り上がりは、eスポーツにおける個人のキャラクター性や戦略の多様性が、ファン層の拡大に寄与していることを示している。

また、CPT2025はオフラインイベントも積極的に取り入れており、地域決勝は東京都の「esports Style UENO」にて開催予定となっている。オンラインとオフラインの双方を活用することで、遠隔地の選手も参加しやすく、同時に現地観戦やパブリックビューイングといった直接的なファンとの交流機会も提供している。

もうひとつの注目点は、CPT2025が国際大会「Esports World Cup」と連携し、高額賞金制度を導入したこと。世界決勝「Capcom Cup 12」は再び日本の両国国技館で開催され、優勝賞金は100万ドル(約1億4千万円)と大幅に増額。日本のeスポーツシーンにおける経済規模拡大と、若者たちの夢やモチベーションの向上につながっている。さらに同大会の予選成績が、2026年のアジア競技大会日本代表選考にも反映されることが明らかになっており、競技の枠を超えたスポーツシーン全体への波及効果も期待される。

選手層の厚みも、国内シーンの未来を語る上で重要だ。CPT2025は初心者層への間口の広さが確保されており、『ストリートファイター6』で新たに追加された「モダンタイプ」の操作も許容されるため、従来のハードルが下がり、幅広い層のプレイヤーが参加可能となっている。これにより、既存の有名プレイヤーはもちろん、新世代のスター候補が台頭する土壌が着実に形成されている。

一方で、ライブ配信の有料化など、運営や配信環境面でのビジネス施策も進行している。Sponsorship契約やマネタイズ手法の多様化は、シーン全体の自立・安定化にとって不可欠な流れといえる。

以上のように、CAPCOM Pro Tour2025による対決の継続は、日本国内eスポーツシーンの競技レベル向上だけでなく、選手層の拡大・ファンコミュニティの活性化、スポーツ産業としての発展を急速に促している。今後はアジア競技大会など国際的な舞台での活躍にも期待が高まり、競技eスポーツが“新しいスポーツ文化”として国内に定着し始めている様子が鮮明にうかがえる。

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