2025年10月、世界最大級のeスポーツイベント「リーグ・オブ・レジェンド 世界大会(Worlds 2025)」がいよいよ開幕した。今回、世界中の注目を集める本大会から、新制度「五大リーグ統合」とそれに伴うスイスラウンドの導入について徹底解説する。
—
世界大会の新たな潮流:「五大リーグ統合」
2025年のWorldsは、過去15年間で初めて大会構造が大胆に刷新された。
これまで各地域ごとに細分化されていた予選制度は廃止され、今年からはLPL(中国)、LCK(韓国)、LEC(欧州・中東・アフリカ)、LTA(北米・南米)、LCP(太平洋:日本・東南アジア・台湾・オーストラリア)の「五大リーグ」に完全統合が実施された。各リーグの上位3チームが直接本戦スイスラウンドへ進出できる仕組みとなり、LPL・LCKのみさらに第4の代表権も与えられている(この2チームは入囲予選で直接対決し、勝者のみが本戦出場となる)。
これにより出場チームは全17組――近年では最少規模。だが各チームがレベルの高い競争を繰り広げ、地域間格差を減らすことでグローバルな頂点争いに緊張感と戦術バリエーションが加わった。
—
スイスラウンドがもたらす新戦略
本大会ではスイスラウンドが初採用された。従来のグループリーグ形式ではなく、1戦ごとに対戦組み合わせが変化し、3勝で次のラウンド進出、3敗で即脱落という厳しい仕組みとなった。これにより、「毎試合が最後の戦い」であるかのような重みが増し、選手達の精神とチーム力の真価が問われる。
加えて、今年は「無畏征召モード(全局BanPick)」が正式導入され、各試合のBanPick(キャラクター選択・禁止)が蓄積されていくグローバルルールのもと、同じキャラクターが連続して使えないため、選手・チーム共に非常に広い戦術的引き出しが必要となった。これが試合への新たな緊張感と戦略性を生み出している。
—
大会スケジュールと舞台
– 入囲予選(10/14):LPL・LCK第4代表(IG vs T1)、BO5でのみ本戦進出決定
– スイスラウンド(10/15~10/25):16チーム、全5ラウンド、3勝で突破・3敗で脱落
– ベスト8決定戦(10/28~10/31)
– 準決勝(11/1~11/2)
– グランドファイナル(11/9):世界王者を決する決勝戦は成都で開催
大会が中国・北京、上海、成都の三都市を舞台にすることでeスポーツ文化の拡充も狙っている。
—
チームと大会の注目ポイント
出場チーム選抜の厳格化により、本大会はグローバルで最高峰とみなされる強豪のみが集結。特にLPL・LCKは代表権拡大で多くのトップ選手が集まり、新旧スターの活躍に期待が集まる。LEC・LCPにも卓越した若手プレイヤーが多数登場しており、地域間対決のダイナミズムが一層際立っている。
スイスラウンドでは、実力が拮抗した戦いが続き、常に「負ければ即脱落」のスリリングな展開。キャラクターBanPickの全局反映により、1チームだけでなく大会全体のメタ(戦術環境)が試合ごとに大きく動く。特定キャラクター頼みの作戦が通用しにくくなり、より幅広い戦略や選手の「サブチャンプ適性」が勝敗を左右している。
—
未来志向のリーグ・オブ・レジェンド世界大会
「リーグ・オブ・レジェンド Worlds 2025」は、単なる競技イベントではなく、グローバルeスポーツの次なるステージへの布石といえる。五大リーグ統合とスイスラウンドの導入によって、大会全体の競争力・公平性・戦略性が劇的に底上げされた。
この新たな制度と戦術環境は、世界中のファンとプロプレイヤーにとって予測不可能かつエキサイティングな「最高峰の戦い」の舞台であり、これまでのeスポーツ史を覆す変革となるだろう。今後も各試合のメタ変動や新スター選手の台頭、世界王者の頂点争いから目が離せない。
今、リーグ・オブ・レジェンドはかつてないスピードと熱量で、世界のゲームシーンをリードしている。



