東京都渋谷区の複合施設「MIYASHITA PARK」が、2025年10月11日に大幅なリニューアルを果たし、新たな食とエンターテインメントが融合した体験型空間「Park in Park」をオープンする。この刷新は、単なる商業施設の改装にとどまらず、「体験型メディア」へと進化を遂げるための重要なステップとして位置づけられている。
MIYASHITA PARKは、渋谷区立宮下公園、商業施設、ホテルが一体となったミクストユース型の施設であり、多様な価値観やトレンドを発信する「RAYARD MIYASHITA PARK」部分が中心的存在だ。今回のリニューアルの最大の特徴は、多角的サービスを掛け合わせることで施設の価値を極大化する三井不動産の「コマーシャル・サービス・プラットフォーマー」戦略の一環に基づく展開である。これにより、単なる消費の場から、情報発信や体験を伴う新たなビジネスモデルを構築しようとしている。
「Park in Park」では、南街区1階に位置する飲食エリアとイベント開催が可能なギャラリーエリアが設置される。ここでは、東京ドームグループが主催するアーティストライブと連動し、渋谷らしい最先端のカルチャーや新たな体験コンテンツを来場者に提供する計画だ。食の場としてもバリエーション豊かな店舗が集まり、訪れる人々が食事を楽しみながらエンターテインメントにも触れられる、新感覚の空間となっている。
さらにリニューアルの中核をなすのが、本館内外に設置される59面のデジタルサイネージ（大型電子看板）である。これらの映像装置は館内42面、渋谷駅側遊歩道に8面連続で設置され、アートや広告情報、地域の催し、行政からの情報発信に活用される予定だ。このデジタルサイネージ群は、単なる広告媒体を超え、クリエイターや地域コミュニティとの連携を深化させるためのプラットフォームとなり、施設全体の活性化および収益多様化に寄与する。
特筆すべきは、リニューアルにおいて体験型空間ならではのデジタル技術の活用を重視し、伝統的なショッピングモールの枠を超えた、情報発信と文化創造のハブとして機能させる点である。これにより、MIYASHITA PARKは渋谷という都心の文化発信拠点の役割を一層強化し、訪れるユーザーに単なる買い物や食事以上の新たな「体験価値」を提供し続けていく。
また、今回のリニューアルに関連して、国内外の話題を呼ぶOasisとのコラボレーションも注目されている。Oasisは独創的なクリエイティブと革新的なテクノロジーを融合させた先端エンターテインメントブランドであり、MIYASHITA PARKの「Park in Park」内でも共同で展開されるプログラムやイベントが期待されている。このコラボレーションにより、施設全体で提供される体験の幅が拡大し、来訪者は最新のデジタルアートやインタラクティブエンターテインメントを楽しむことができる。
今回の大改装によって、MIYASHITA PARKは、単一の商業施設に留まらず、渋谷の多様な文化や情報を集約・発信する「体験型メディア」へと変貌を遂げた。市民や観光客が集い、食とアート、ライブエンターテインメントを通じて新たな発見や繋がりを体感できる複合空間として、未来志向の都市型施設のモデルケースを示している。
このリニューアルは、三井不動産が掲げる未来社会の価値創造を目指す「コマーシャル・サービス・プラットフォーマー」という戦略の成功を示すものであり、東京・渋谷の街の活性化にも大きく貢献することが期待される。今後も「Park in Park」をはじめ、MIYASHITA PARKが提供する体験型の新しい価値に注目が集まるだろう。
