星野源『ANN』最終回—深夜ラジオ界の伝説が幕を下ろす
深夜ラジオの金字塔を打ち立てた星野源のオールナイトニッポン(ANN)が、3月31日の放送をもって10年の歴史に幕を下ろす。2月18日の最新放送で星野源本人が突然発表し、業界内外に衝撃が走った。この番組は、2016年3月28日にスタートして以来、火曜深夜1時からのニッポン放送枠を独占。音楽、トーク、ユーモアが融合した独自の世界観で、リスナーを魅了し続けた伝説のロングラン番組だ。最終回を目前に、星野源のラジオ人生が一つの節目を迎える中、ファンや関係者の惜別の声が次々と寄せられている。
星野源は18日の放送中盤で、「大切なお話があります」と前置きし、静かに語り始めた。「2016年3月28日から始まった『星野源のオールナイトニッポン』。この番組、私、星野源の『星野源オールナイトニッポン』が来月3月31日の放送で、最終回を迎えます」とストレートに告白。番組開始当初を振り返り、「僕が始めたころはそもそも長く続けられない場所だったんですよ。2年やれたら本当に長かったねっていうような場所だったんです」と明かした。当時のラジオ業界では、深夜枠の人気番組が長続きしないのが常識だった。それを覆し、10年という節目を迎えたことへの深い感謝を繰り返し述べた。星野の声には、達成感と少しの寂しさが混じり、リスナーに温かな余韻を残した。
この発表は瞬く間に広がり、ニッポン放送の他の番組でも話題に上った。直後の水曜深夜3時枠「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」では、テレビプロデューサーの佐久間宣行氏がオープニングで即座に反応。「火曜日の星野さんが3月いっぱいで卒業ということで。10年の区切りで寂しくなりますね」と率直な心情を吐露した。佐久間氏は自身も同番組に2、3回ゲスト出演した経験があり、「去年もスペシャルウィークでホテルで一緒にやったりしたので」と懐かしんだ。さらに、番組の成長ぶりを指摘。「10年前の確かに星野さんのラジオの時って、確かスポンサー3社か4社しかいなかったのを覚えてるもんね。それが35社でしょ?それはそれで増えすぎだろって思うけど、凄いよね」と称賛。開始時の苦境から、スポンサー35社を抱える人気番組への変貌を象徴的に語り、星野の功績を強調した。
朝の情報番組「上柳昌彦 あさぼらけ」でも、ベテランDJの上柳昌彦がエールを送った。19日放送で「星野源さんから3月いっぱいというお知らせがありましたね」と切り出し、リスナーからの大量のメールを紹介。星野の楽曲「Hello Song」に乗せて読み上げるコーナーでは、感動の声が相次いだ。中でも印象的だったのは、2022年春に放送された「ポメラニアンのオールナイトニッポン」のエピソード。ポメラニアンのわかばくんがパーソナリティを務め、泣かずに完走した伝説の回を上柳が振り返り、「あれは本当に面白かった」と笑いを交えつつ、星野のクリエイティブな企画力を讃えた。上柳は締めくくりに「全速力で駆け抜けていってください」と激励。業界の先輩からの温かい言葉が、終了の寂しさを少し和らげた。
ファンの反応も熱い。SNSでは「源さんのラジオ大好きだから悲しみ」「源ちゃんのANN終わるのか…結構寂しいもんやな」といった声が溢れ、突然の発表に動揺を隠せない様子。一方で、「おげんさんといっしょも終わり、星野源のオールナイトニッポンも終わる。終わらないと勝手に思っていたよ」と、長年の安定感に感謝する意見も。星野源のファン人生にとって、ANNは特別な存在だった。あるリスナーは「星野源ANNが面白いから、他の人のANNを聴くようになった」と語り、番組が深夜ラジオ界全体の活性化に寄与した点を指摘。タイムフリー視聴が主流の今も、リアタイ勢が夜更かしを厭わず耳を傾けたのは、星野のトークの磁力ゆえだ。
この終了は、星野源のキャリアにおける大きな転機だ。2025年3月にはNHKの冠バラエティ『おげんさんといっしょ』が8年ぶりに終了し、妻の新垣結衣との共演も一段落。ライブ活動での“意味深発言”も相まって、「夫婦で稼働減?」との憶測が飛び交うが、星野自身は「10年を区切りに」と前向き。ラジオ黎明期のFM番組からANNへ移行し、ポメラニアン回のような実験的企画、豪華ゲストとのトーク、楽曲公開の舞台裏まで、多角的な魅力を発揮した。開始1年目から聴き続け、ファン人生を彩ったリスナーにとって、喪失感は計り知れない。
最終回まであと1カ月余り。星野源は「これからもラジオを愛しています」と示唆し、新たな展開を予感させる。深夜ラジオ界の伝説が幕を下ろす瞬間、リスナーはどんなフィナーレを迎えるのか。10年の軌跡を振り返りながら、星野源の次なる一手に期待が集まる。ANNは終わらない—心の中で永遠に続くのだ。(約1520文字)



