ぐるなび、AIを活用した飲食店検索サービス「UMAME!」をリリース
株式会社ぐるなびは2025年1月20日、生成AIを活用した革新的な飲食店検索サービス「UMAME!」のベータ版をリリースした。このサービスは、従来の飲食店検索の概念を覆し、ユーザーの食体験を大きく向上させることを目指している。
「UMAME!」の最大の特徴は、高度な自然言語処理技術を用いたAIによる検索機能だ。ユーザーは、「今日は疲れているから、静かでゆっくりできる和食店が良い」といった自然な文章で検索することができる。AIは、この文章から「静か」「ゆっくり」「和食」といったキーワードを抽出するだけでなく、「疲れている」という状況も考慮に入れ、最適な飲食店を提案する。
さらに、「UMAME!」は単なる検索エンジンにとどまらない。ユーザーの過去の検索履歴や評価、さらには季節や天候、その日の気分なども加味して、パーソナライズされた飲食店推薦を行う。例えば、雨の日には温かい料理を提供する店を優先的に表示したり、ユーザーの誕生日には特別な雰囲気の店を提案したりする。
また、「UMAME!」は飲食店側にとっても大きなメリットをもたらす。AIが収集した顧客の嗜好データを分析し、メニュー開発や店舗運営の改善に活用できるインサイトを提供する。これにより、飲食店は顧客ニーズにより的確に応えることが可能となり、顧客満足度の向上と売上増加が期待できる。
ぐるなびは、「UMAME!」の開発にあたり、国内外の複数のAI企業と提携し、最新の機械学習技術を導入した。特に、自然言語処理と画像認識の分野で高い評価を受けている技術を採用し、テキストだけでなく、料理や店内の雰囲気を写真から分析する機能も実装している。
「UMAME!」の名称は、「うまみ(Umami)」と「私(Me)」を掛け合わせた造語で、個々のユーザーにとって最高の「うまみ」を見つけ出すという意味が込められている。ぐるなびの広報担当者は、「『UMAME!』は、単なる飲食店検索サービスではありません。ユーザー一人ひとりの食体験を豊かにし、飲食業界全体の発展に貢献することを目指しています」とコメントしている。
ベータ版のリリース後、ぐるなびは順次機能の拡充を図る予定だ。今後は、音声検索機能の追加や、AR(拡張現実)技術を用いたメニュー表示機能の実装も計画されている。また、多言語対応も進め、訪日外国人観光客向けのサービス展開も視野に入れている。
「UMAME!」の登場は、飲食業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めている。AIによる精密な嗜好分析と推薦システムは、ユーザーの食体験を向上させるだけでなく、飲食店の経営効率化にも貢献する。さらに、このサービスが普及することで、ユーザーの食の選択肢が広がり、地域の隠れた名店の発掘にもつながると期待されている。
ぐるなびは、「UMAME!」を通じて、日本の食文化のさらなる発展と、飲食業界のデジタルトランスフォーメーションを推進していく方針だ。AIと人間の感性が融合した新しい食体験の創出に、業界関係者から大きな期待が寄せられている。
「UMAME!」のベータ版は、現在ぐるなびのウェブサイトおよびスマートフォンアプリから利用可能だ。ぐるなびは、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、サービスの改善と拡充を進めていく予定である。飲食店を探す際の新たな選択肢として、「UMAME!」の今後の展開に注目が集まっている。