高市政権の成長戦略:AIロボット産業が牽引するデジタル経済基盤の構築
2月8日の衆議院選挙における自民党の大勝を受け、高市早苗政権が推進する成長戦略がいよいよ具体的な形を帯びようとしている。とりわけ、17の重点戦略分野のうち、AIロボット産業は日本のデジタル経済基盤を創出する核となる存在として注目を集めている。
高市政権が掲げる「危機管理投資・成長投資」は、単なる需要刺激策ではなく、日本が直面する構造的課題への対応を意図している。労働力不足、エネルギー供給の制約、先端技術の欠出など、供給サイドの制約を解消することが最優先事項とされており、その枠組みのなかでAIロボット産業は戦略的に位置づけられている。
AIロボット分野における戦略の大枠は既に固まり、現在は供給サイドと需要サイドの両面で課題の洗い出しが進められている。特に注目されるのは需要サイドへのアプローチである。民間企業によるAIロボット導入にはいまだ多くのハードルが存在するため、政権は「先行官需」を基本方針として掲げている。つまり、政府が率先してAIロボットを導入することで市場を創出し、民間への波及効果を期待する戦略だ。
この官民連携モデルは、規制改革と予算制度の抜本的改革を伴う。重点17分野における官民投資を多年度にわたって管理できるよう予算制度を改革し、同時に官製市場に存在する多くの規制を撤廃することで、AIロボット産業の成長環境を整備する。こうした施策は、単にロボット産業の拡大に留まらず、日本全体のデジタル経済基盤の構築に直結している。
同時に、半導体産業との相互作用も重要な要素である。TSMC(台湾積体電路製造)が2月に熊本で「3ナノ半導体」の生産を開始予定であり、日本の半導体サプライチェーンの重要性がますます高まっている。AIロボット産業の発展には高度な半導体技術が不可欠であり、これら産業間の統合的な成長が期待されている。
高市政権の成長戦略は総額5,500億米ドル規模の戦略的投資イニシアチブの一部であり、これは2025年10月の日米首脳会談で覚書が交わされた枠組みに位置づけられている。政権発足後の本格展開を控え、引き続き新規案件が次々と発表される見通しも示されており、日本のデジタル経済基盤創出は加速度的に進む可能性が高い。
財政的側面では、政権が「責任ある積極財政」の実現を掲げる一方で、市場からの信認確保が課題となる。政府と与党の連携による独立財政機関の設置など、財政規律強化の施策も同時に推進されることで、持続可能な成長投資体制の構築が目指されている。



