2026年仮想通貨市場の鍵:CLARITY法成立へのカウントダウン
2026年の仮想通貨市場は、米SEC委員長ポール・アトキンス氏の証言で注目を集めたCLARITY法の行方に大きく左右される可能性が高い。この超党派法案は、暗号資産の連邦規制枠組みを明確化し、投資家保護とイノベーションの両立を目指すものだ。2月11日、下院金融サービス委員会でのアトキンス氏の証言は、市場参加者にとって待望のシグナルとなった。
アトキンス氏は証言で、「暗号資産市場の連邦レベルでの明確な規制枠組み整備が急務」と断言。CLARITY法の早期成立を議会に強く求め、成立すればSECが即座に実施に移す準備を整えていると強調した。これまで行政指針による対応が主流だったが、「超党派の市場構造立法ほど、将来に備えてルールブックを強固にできるものはない」と指摘。過去10年間を上回る規制明確化を達成した暗号資産タスクフォースの実績を評価しつつ、立法の必要性を訴えた。
CLARITY法の核心は、トークン分類の策定だ。SECとCFTC(米商品先物取引委員会)の共同イニシアチブ「プロジェクト・クリプト」を通じて、投資家とイノベーター双方に規制義務を明確化。オンチェーン資産移転や取引の円滑化に向け、既存規制の適用除外措置も検討される。これにより、仮想通貨の証券か商品かの曖昧さが解消され、機関投資家の参入障壁が低下する見込みだ。モルガン・スタンレーのアナリストレポートでも、「明確性法案(CLARITY法)が機関参加に必要な明確さを提供し、市場回復を促進」と予測されており、ビットコイン価格の自己修正や金代替資産としての魅力向上を後押しする要因として挙げられている。
市場への影響は計り知れない。2026年現在、ビットコインの取引価格は約66,300ドルと生産コスト(77,000ドル)を下回る調整局面にあるが、規制明確化が機関資金の流入を呼び、急反発を誘う可能性が高い。SECのクロスボーダー・タスクフォースはすでに成果を上げ、2025年9月以降、アジア拠点の14発行体に対し価格操作疑いで取引停止措置を実施。「市場はグローバルであり、投資家保護もグローバルでなければならない」とアトキンス氏の言葉通り、国際的な信頼回復が期待される。
一方、議会は市場構造法案の合意に向け、暗号資産企業経営者と銀行幹部に対し3月1日を期限に設定。リップルCLOのマシュー・ディ・サルボ氏も、業界に即時行動を促している。この期限がCLARITY法成立の分岐点となり得る。成立すれば、仮想通貨は米124.3兆ドル規模の資本市場に本格統合。IPO市場の活性化(上場企業数の回復)とも連動し、年次報告書コスト(27億ドル)の削減を通じて効率化が進む。
しかし、障害も潜む。アメリカ銀行協会など5銀行グループは、類似のGENIUS法施行を「何年も先」と見なし、OCC(通貨監督庁)への仮想通貨銀行認可遅延を要請。NCUA(全国信用組合管理局)もGENIUS法実施に向けコメント受付を4月13日まで延長するが、CLARITY法との調整が鍵だ。トランプ政権下の貿易政策変動も間接影響を与えかねない。
2026年後半、CLARITY法が成立すれば、ETF解禁や税制改正の道筋が開け、仮想通貨市場は過去最高を更新するだろう。逆に遅延すれば、ボラティリティ増大と機関離れのリスクが高まる。アトキンス氏の「SECは中核使命に立ち返る」との決意が、市場の未来を決定づける。投資家は3月1日の動向を注視せよ。(約1480文字)



