BTO(Build To Order)パソコン市場において、近年、コラボレーションPCと独自デザイン筐体の進化が著しく、その象徴的な事例の一つが、ユニットコムの「LEVEL∞(レベルインフィニティ)」シリーズが展開する「父ノ背中」コラボゲーミングPCの最新モデルです。このコラボPCは、単なるブランド連携に留まらず、ユーザー体験の質を大きく変えるデザイン面で新たなトレンドを示しています。
父ノ背中コラボピラーレスモデルの革新性
2025年10月28日に発売された「父ノ背中」コラボピラーレスモデルは、eスポーツの大会やイベントへの参加、ストリーミング配信などを積極的に行う日本屈指のプロゲーミングチーム「父ノ背中」と、高性能ゲーミングPCブランド「LEVEL∞」の共同開発による、完全新設計の独自デザイン筐体を採用しています。
このモデル最大の特徴は、「ピラーレス構造」の採用です。従来のPCケースではフロントやサイドに支柱が配され、視認性やデザイン制約が課題となっていましたが、本モデルではフロント左の支柱を排除し、2面の強化ガラスパネルで構成することにより、内部パーツがシームレスに見渡せる高い開放感と、ガジェットとしてのデザイン性を両立しています。さらに、ガラス面には「父ノ背中」のチームロゴが配され、コラボ感を視覚的に強調しています。
ユーザー体験を向上させる独自機能
ピラーレス化は単なる見た目だけにとどまらず、機能性にも大きく貢献しています。例えば、高温化しやすいゲーミングシーンでも優れたエアフローを実現し、冷却性能を向上させる設計となっています。ケース内部のスペース拡張とメンテナンス性を両立させることで、BTOならではのパーツカスタマイズも容易になり、配線や清掃作業の効率も上がっています。
LEDイルミネーションも大きな魅力。フロントボタン一つで、父ノ背中チームカラーを含む複数パターンへ切り替えが可能となり、プレイヤーの好みに合わせてゲーミング環境を演出できます。これは、単なる外観の装飾以上に、eスポーツチームとの一体感や所有欲を満たす、ユーザーとブランドの新しい関係性を築く仕組みです。
BTOモデルとしての柔軟性
このモデルはBTO(受注生産方式)に完全対応しており、プロセッサやメモリ、ストレージ、GPUなど主要パーツのカスタマイズオーダーが可能です。標準構成では、Intel Core Ultra 5 225F、16GB DDR5メモリ、1TB NVMe M.2 SSD、GeForce RTX 5060 8GB GDDR7など、ゲーミング用途に最適化された最新スペックが用意されています。価格は214,800円と、ハイエンド構成ながらBTO企業ならではの価格競争力も兼ね備えています。
独自デザイン筐体×コラボPCの市場トレンド
PC市場は、単なるスペック競争から、ユーザーの感情やコミュニティ体験を重視する設計へと急速にシフトしています。コラボPCは従来の限定ロゴ入りモデルの枠を超え、チームやブランドの世界観を反映した筐体設計、照明演出、カスタマイズ性といった付加価値を提供しています。ピラーレス・ガラスパネルの採用は、高開放感・一体感・メンテナンス性・冷却性能という複数の価値を同時に満たし、「使う」から「魅せる」への転換を強く後押ししています。
今後もBTO企業の独自デザイン筐体とコラボモデルは、ユーザーの多様なニーズや個性を受け止める重要な差別化要素となり、PC市場のクリエイティブな進化を牽引していくと考えられます。魅力的なデザインと実用性能、そしてeスポーツ・コミュニティへの積極的な関与——これらすべてが融合することで、BTO企業はユーザー体験の新時代を切り開いています。



