VALORANT国内外大会が続々と開催される中、現在eスポーツ界隈で最も注目を集めているのは、VTuber最協決定戦 Ver.VALORANT Act2への「葛葉」の参戦である。人気ストリーマーと一流プロによる新たな競演は、VALORANTシーンに多層的な盛り上がりをもたらしている。
葛葉が1年ぶりにVALORANT復帰、その背景と注目ポイント
2025年秋、日本eスポーツ界ではいくつもの大型イベントがトーナメント方式で開催され、日本チームやストリーマーの活躍が連日話題となっている。その中でも特に注目が集まっているのが、にじさんじ所属の人気VTuber「葛葉」のVALORANT復帰だ。約1年ぶりの“コソ練”配信には、多くのファンが熱狂。彼自身がVALORANT界の中心から離れていた時期が長かったこと、自身の操作技術や戦術的な成長ぶりがにわかに再燃したことが、復帰初日の配信視聴者数に顕著に表れていた。
葛葉は今回、DetonatioN FocusMe(DFM)所属のMeiy選手から直接コーチングを受け、その過程で「ピークの仕方」や「アングルアドバンテージ」などプロシーンでも重要視される戦術を学んだ。その様子は、単なるエンターテインメントにとどまらず、プロ級スキルを目指す多くの一般プレイヤーや中上級者、同業VTuberたちにも示唆を与える内容だった。
VTuber最協決定戦 Ver.VALORANT Act2のインパクト
新生OWLのごとき盛り上がりを見せる大会が、「VTuber最協決定戦 Ver.VALORANT Act2」だ。11月9日に開催されるこの大会は、渋谷ハルが主催し、総勢40名の有名VTuberたちが各チームに分かれて出場。にじさんじ、ぶいすぽっ!、個人勢など、異なるコミュニティの人気者が一堂に会するため、アニメ・ゲーム・VTuber界隈の枠を超えた注目を集めている。
葛葉はローレン・イロアス(にじさんじ)や英リサ(ぶいすぽっ!)らとともにチーム4の一員として出場予定だ。この“異文化混成チーム”が公式戦でどのような化学反応を起こすのかは、従来のeスポーツ大会にはなかった新しさ。おのおのが個性的な配信者でありながら、競技タイトルへの真摯な取り組みや勝負への本気度が伺える点でも、視聴者の“推し活”とeスポーツ観戦体験が融合する画期的なイベントといえる。
プロ・ストリーマー混成化:VALORANT現象の新潮流
この大会が特殊なのは、プロ選手×VTuber×人気ストリーマーという“ハイブリッド型クラスター”による競演である。たとえば今回、葛葉がDFMの現役プロMeiy選手のコーチングを受けるだけでなく、大会当日に他の強豪VTuberや元・現プロ選手と競い合う点にも注目が集まっている。ストリーマーとプロの垣根を越えた戦術ディスカッションや連携は、競技VALORANT全体のスキルボトムを押し上げると同時に、ファン層の拡大も強く後押ししている。
葛葉復帰のもたらす影響
葛葉はもともとApex Legendsの人気ストリーマーとして知られてきたが、VALORANT移行後も高い集客力を維持。独自のゲーム観と軽妙なトーク、さらに“プロさながら”の競技意識を持つことで、配信文化と純粋なeスポーツ競技の架け橋的存在となっている。今回のVALORANT復帰は、彼自身のキャリアだけでなく、ファンやコミュニティが「eスポーツ×エンターテインメント」をどう受容し、楽しむかという面でも大きな転換点となりつつある。
今後の国内外VALORANT大会の展望
2025年から2026年にかけて、VALORANT国内外大会はさらに整理・再編成されていく予定だ。VCT(VALORANT Champions Tour)のフォーマット変更やアセンション大会の廃止、さらにはアカデミーチームの降格保護撤廃など、より一層の競争激化が予想される。中でも日本のChallengersチームが直接世界大会への出場権をつかめるようになり、今後は「国内人気ストリーマー×プロ」だけでなく、「国内トップVS海外トップ」がより明確に、より多層的に接続されていくことが見込まれる。
VALORANTのeスポーツシーンは今後ますます、プロ/アマ/ストリーマーの枠を横断した多様な盛り上がりを見せていくだろう。その象徴ともいえる今回のVTuber最協決定戦は、国内大会から世界シーンへの“架け橋”としてのポテンシャルも秘めている。今後の動向から目が離せない。



