ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が最高ブランド責任者(Chief Brand Officer)を務めるNFTプロジェクト「ドゥードゥルズ(Doodles)」が、2025年2月、東京・渋谷パルコで特別展示イベントを開催した。「NFTアート」×「ラグジュアリーブランド」の最新型コラボレーションとして、特に注目されたのは時計ブランド「G-SHOCK」との限定コラボアイテムの発表である。
渋谷パルコで開かれた最先端NFTイベント
イベントが開催されたのは、渋谷パルコ2階の2G ポップアップスタジオ。2月9日から11日までの期間限定で、NFTコレクターやファッション愛好家、アートファンが集まり、デジタルと現実(リアル)が融合する新しいラグジュアリー体験を発信した。
このイベントの最大の目玉は、「Doodles」と「G-SHOCK」がコラボした限定時計の先行販売だった。G-SHOCKの代表的モデル“DW-6900”をベースに、ミントグリーンのケース、ピンクの文字盤といったポップな配色が施され、NFTアートをモチーフとした大胆なグラフィックが随所に配置されている。このコラボ時計は2万7500円で販売され、限定感の高さやストリートファッションへの親和性の高さが話題を呼んだ。
ファレルと「Doodles」プロジェクトの先進性
「Doodles」はカナダ人アーティストのバーント・トースト(Burnt Toast)が手掛ける、カラフルで個性的なデザインが特徴的なPFP(Profile Picture)型NFTプロジェクト。単なるデジタルアートの枠を超え、2023年にはロンドン/ニューヨークのアニメーションスタジオ「ゴールデンウルフ」の買収を実施するなど、リアルとデジタルの垣根をなくす取り組みを拡大中である。
ファレル・ウィリアムスが同プロジェクトの最高ブランド責任者に就任したことで、音楽、ファッション、アート、テクノロジーを横断したクロスカルチャー戦略が加速。NFTを活用したIP開発やメタバース展開も目立ち、実際のファンコミュニティを動員してリアルイベントを開催するなど、他のNFTプロジェクトとは一線を画す。
コラボレーションが持つ意味
従来のNFTは「投機性」が強調されがちだったが、Doodlesはコレクタブルアートとファッション、グッズ販売による「体験消費」へと舵を切っている。G-SHOCKは言わずと知れたラグジュアリーとストリートをまたぐ世界的時計ブランド。この協業によって、NFTのデジタル資産価値だけでなく、リアルグッズとしての日常的な楽しみ方、所有する喜びの拡張が生まれている。
2G ポップアップスタジオで同時販売されたアイテムは、アート作品(27万5000円)、パーカ(1万4300円)、キャップ(8800円)など。いずれもカラフルで遊び心に溢れたデザインとなっており、「ファレルらしさ」とDoodlesの世界観が融合した。こうした商品構成は、NFTが単なるバーチャル資産であることを超え、コレクターズアイテム、アートピース、ファッションアイテムとして多層的な価値を生み出している。
今後の展望
ファレル・ウィリアムス率いるDoodlesは、今後もラグジュアリーブランドやストリートブランドと協業を拡大していく方針を打ち出している。NFT技術による新たな所有体験、プレミアムグッズとしての楽しみ、グローバルコミュニティを通じた価値の共創——そのすべてが「デジタル×ラグジュアリー」の未来型ライフスタイルを提示するものといえる。渋谷での最新イベントは、その最前線を象徴するケーススタディとして記憶されるだろう。