2025年の「League of Legends World Championship(Worlds 2025)」が中国で開催される中、最も注目を集めている新要素のひとつが「Fearless Draft(フィアレスドラフト)」という新しいドラフトルールの採用です。このルール導入は、大会の競技性を大きく変える可能性を秘めており、世界中のeスポーツファンやプロシーン関係者の間で話題となっています。
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Worlds2025大会概要と新ドラフトルール「Fearless Draft」の導入背景
Worlds2025は、10月14日から11月9日まで中国の北京・上海・成都で開催され、世界17のトップチームがLoLの王者の座をかけて激突します。今年は会場ごとにステージが分かれており、プレイインとスイスステージが北京、ノックアウトステージが上海、決勝戦が成都で実施される形となっています。
この大会の競技フォーマット最大の変更点が「Fearless Draft」の導入です。
Fearless Draftとは何か
Fearless Draftは、シリーズ内での同一チャンピオンの再使用を禁止するドラフト方式。従来のBo5やBo3戦形式では、各マッチごとにピック・バンは独立していましたが、この新ルールでは、一度使用したチャンピオンは同シリーズ内では再びピックできません。
例えば、シリーズ最初のゲームで「Lee Sin」「Ahri」などをピックした場合、以降のゲームではそれらキャラクターはどちらのチームも選択できなくなります。従来は一部大会で実験的に取り入れられていましたが、正式にWorlds規模で採用されるのは今回が初めてです。
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ルール変更による戦略的・競技的インパクト
チーム戦略の幅が拡大
Fearless Draft最大の特徴は「戦略の多様性」にあります。
– 複数回にわたって同じメタチャンピオンや得意キャラを繰り返しピックすることが不可能になるため、チーム全体そして各プレイヤーのチャンピオンプールの広さと柔軟な戦術構築力が従来以上に問われます。
– シリーズ後半になるほど、手持ちのピック選択肢が減り、得意・不得意が如実に現れます。コーチ陣の綿密な事前準備や、ピック順番の工夫も重要性が増します。
– アンダードッグチームが、強豪の定番戦術を封じるために、早めに相手の得意チャンプを引き出して消費させる…といった駆け引きや心理戦もより深く展開されるでしょう。
人気・メタの変化
このルールによって生まれる副次的な効果もあります。
– 常に同じ「OP(オーバーパワー)」キャラだけでなく、大会規模で多種多様なチャンピオンが登場しやすくなり、視聴者にとっても新鮮なピック・マッチアップが増加。
– 各地域のチームの「型」や定番戦術に新たな波が押し寄せ、LoLのeスポーツ全体に新たなメタ(ゲーム内流行戦術)の刷新をもたらす可能性が高いです。
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プロプレイヤー・関係者・ファンの反響
Fearless Draft導入については、早くも各チームのコーチ・選手から様々なコメントや分析が寄せられています。プロシーンでは、韓国LCKや中国LPLのようなチャンピオンプールが広いチームほど有利だとされる一方で、個人技に頼っていたチームには厳しい試練となると指摘されています。
– 大手eスポーツメディアや配信者も、「これまでのLoL大会とは一線を画す」「新世代の競技性を体験できる」など期待の声を伝えており、戦略的イノベーションのきっかけになるという評価が目立ちます。
– 一方、ルール変更に慣れないチームや、経験値が少ないリージョンのチームには混乱や不安の声もあります。特に合併で新設されたLCPリーグのようなチームは準備期間が短く、ピックの幅に苦戦が予想されています。
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ゲーム視聴体験と今後への展望
新ドラフトフォーマットの導入は世界のLoLファンに新鮮さと驚きをもたらすとともに、世界各地から注目を集めています。
– 観戦側も「次はどのピックが出るのか?」という読み合いや、チャンピオンバリエーションの妙をより深く楽しめる大会となります。
– Riot Gamesは、「今年のWorldsは史上最も多様なメタが躍動する」と公式にもアナウンス。これにより、LoL eスポーツの歴史がまた新たな転換点を迎えることになるでしょう。
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2025年のWorldsは、単なる王者決定戦を越え、LoL競技文化そのものを進化させる分岐点です。Fearless Draftの長期的な影響や、各地域・チームの対応力、そして競技の新しい面白さにぜひ注目してください。