超大作映画『宝島』が公開2週目に入り、興行成績が大きく失速した理由は、主に「上映回数の激減」と「内容面での評価の分裂」によるものである。製作費25億円を投じた本作は、公開直後の動員数が期待外れであったうえ、2週目に入って上映回数が大幅に減少したため、興行収入が伸び悩み大赤字が確実視されている。
上映回数が減少した理由の一つは、初動の集客が製作費に見合わなかったことだ。特に、宣伝や豪華キャストを投入していたにもかかわらず、全国規模での広がりに欠け、沖縄を舞台にした点が一部地域では評価されているものの、全国的な共感・話題性には至っていない。また、沖縄方言の多用が一般観客にとって理解しづらいとされ、これは物語の没入感を妨げる一因となっている。映画レビューサイトでは、平均点が3.6点（映画.com）や3.7点（Filmarks）と平均的な評価に留まり、長尺であるゆえに物語がまとまりに欠けていると感じる視聴者も少なくない。
また、作品のテーマが戦後沖縄の歴史にスポットを当てていることは高く評価されているものの、その重厚な内容ゆえに一般層への訴求力が弱いという面も指摘されている。最近の興行には、よく練られたストーリーのスピード感とわかりやすさが求められる傾向が強いため、内容的な敷居が高く感じられる部分が観客の離反を招いた可能性がある。
さらに、2週目で上映回数が急減したため、劇場側が早々に公開規模を縮小したことも影響している。公開初週の興行収入から大幅な伸びを期待できず、配給側・映画館側の戦略変更が裏目に出た形だ。
このように、『宝島』の2週目での観客失速は、製作費に見合うヒットには至らなかった初動の弱さと、内容面での評価の二分化、それに伴う上映規模の縮小が複合的に絡み合った結果である。公開後の口コミでの盛り上がりが期待できない中で、興行収入は製作費の4分の1程度、約6億円にとどまる可能性も指摘されている。
以上の状況を踏まえると、『宝島』は豪華製作体制や深刻なテーマ設定といった強みがある一方で、長尺で難解な内容および方言の多用による観客の理解難、上映規模縮小の影響で興行的に苦戦し、2週目の観客動員数が失速したと総括できる。今後、上映回復や話題性による観客増加の兆しは見られておらず、長期的なヒットには厳しい見通しである。
