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遊び心をプラス:フィギュアが収まるゲーミングPCの進化

「遊び心」を体現した最新のゲーミングPCとして、2025年秋に話題となっているのが、PCケース内部にお気に入りのフィギュアをディスプレイできる新発想のプロダクトだ。ゲーミングPCといえば、スペックや冷却性能、LEDライティングなど「機能美」に走りがちなジャンルだが、そこへ趣味性・個人性を前面に出せる新機軸が加わったことで、国内外のPCユーザーやフィギュア愛好家から熱い視線が注がれている。

このユニークな進化を遂げたのは、マウスコンピューターによるコンセプトモデル。参考展示ながら、「PCケース内部にフィギュアを飾れるギミック搭載」「“隠せる”機能付き」という点がこれまでのゲーミングPCになかった遊び心として注目されている。

従来のPCケースでもLED照明付きの強化ガラスパネルや“魅せる”配線整理、フィギュアを入れたカスタム例こそSNSで人気だったが、あくまで自己責任の非公式カスタムに留まる印象だった。その点、今回の参考モデルはメーカー公式で“内部フィギュアディスプレイ”を想定した設計となっており、パーツレイアウト、エアフロー、耐震性などプロダクトとしての安全性も担保されている。

実際の展示モデルでは、ミニチュアサイズの人気キャラクターや推しの二次元フィギュアなどが、グラフィックボード下やストレージ上に“特等席”を構えている。専用のアクリル仕切りや止め具を設けることで、持ち運びや振動による落下リスクを減らしつつ、見栄えと実用性を両立。さらにはLEDライティングと連動し、ゲームの進行やBGMに合わせてカラーが変化する仕掛けも実装予定だ。

面白いのは「見せる/隠す」を自由に切り替えられる設計だ。外観にはスモークガラスや半透明パネルを採用することで、気分やシーンに合わせて中身を強調したり目立たなくしたりできる。この仕組みは、オンライン会議や仕事部屋といった“プライベート/パブリック”の切り替えを意識する現代ならではの需要にぴったりだろう。

なぜこのような遊び心が今、ゲーミングPC業界に求められているのか。その背景には、ハードウェア性能の頭打ちや、価格帯による差別化から“体験重視”へのシフトが窺える。ハイスペックPCはもはや多くのメーカーが実現可能だが、「“自分だけ”のもの」「語れる個性」「気分が上がる体験」を提供するには、スペック以外の付加価値が不可欠となる。フィギュア収容機能は自分好みのカスタマイズをさらに楽しく、深くする要素であり、ゲーミングコミュニティや配信文化が広がる今の時代性にも見事にフィットしている。

企業側も、こうした手法で“ゲーミングPC = メカニカルで無機質”という既成概念を意図的に壊そうとしている。たとえば、PCケースメーカーやBTOパートナーがフィギュアメーカー、公認キャラクターブランドとコラボする動きも散見される。PC本体とグッズ、コレクション趣味の“橋渡し”ができれば、ユーザーの所有欲・愛着心をさらに高めることに成功するだろう。

さらに長期的には、ARGBライティングやスマートIoT機能と連携することで、「ゲーム内アイテムをリアルに反映」「SNSで映える即時カスタム」「AIによるミニジオラマ動作制御」といった体験型ディスプレイにも発展可能だ。すでにPCプラットフォームに組み込まれつつあるバーチャル空間/現実展示の融合(リアルメタバース)とも、高次元でシンクロするポテンシャルを秘めている。

ゲーミングPCの“本質”は、単なるハードスペック競争ではなく「遊び心の拡張」――。そんな新しいトレンドを象徴する「フィギュア収納型ケース」の普及と進化から、今後ますます目が離せない。

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