中国で開催される「League of Legends World Championship 2025(Worlds 2025)」は、eスポーツ史上でも屈指の規模を誇る一大決戦となる。今回はその大会舞台のなかでも、特に重要な都市「上海」について詳しく取り上げる。中国の象徴とも言えるこの都市が、いかにワールドステージにふさわしい空間となり、世界中のプレイヤーとファンにどんな体験をもたらすのか――その最新情報を現地情勢の変化やチーム事情も含めて解説する。
—
世界屈指の競技都市「上海」
上海は近年、中国のeスポーツ市場をけん引する中心地として急成長を続けてきた。League of Legendsのプロリーグ「LPL(League of Legends Pro League)」はこの都市に多くの拠点を構え、国際戦も数多く開催されている。2025年のWorldsも例外ではなく、上海は大会中盤〜後半の主要試合会場として大規模なスタジアムや、最新鋭のeスポーツアリーナが使用される予定だ。観客動員数や大会演出の規模は、過去のWorldsやオリンピックすら凌駕する熱気が期待されている。
—
上海会場の特徴と意義
– 巨大スタジアム・アリーナ
上海の会場は数万人を収容可能な屋内外スタジアムが選ばれており、LED演出やAR・VR技術を駆使した臨場感ある観戦体験が可能。eスポーツ専用設備が最新化されているため、選手にとっても安全・快適な競技環境が整う。
– 国際色豊かな観客層
会場には中国国内だけでなく、欧米・韓国・東南アジア各国からも多数のファンが来場する見込みで、世界中のLPLファンが一堂に会する。「世界のLoL首都」と呼ばれる上海ならではの光景だ。
– 巨大メディアと同時配信
上海開催の試合は、Huya・Douyu・Bilibiliなど国内大手配信プラットフォームと、Twitch・YouTubeなど国際サービスでも同時中継。中国語実況だけでなく英語・韓国語・日本語対応も進む。
—
中国代表チームの注目――BLGの挑戦
2025年は「Bilibili Gaming(BLG)」がChina代表の第1シードとして頭角を現している。BLGは直近でLPLを3連覇しており、上海のホーム会場でも圧倒的な人気を誇っている。前年は惜しくも世界決勝戦で敗れたものの、今年は地元開催のアドバンテージと選手層の充実で、悲願のSummoner’s Cup奪還が期待されている。
また、LPL最終戦「Regional Finals」では残りの世界出場枠を賭け激戦が繰り広げられている。上海開催試合は、各チームの個性や中国LoL界全体の盛り上がりを象徴するステージとも言える。
—
大会のフォーマットと規模
Worlds 2025は「Beijing」「Shanghai」「Chengdu」の三都市を舞台として開催され、上海はその中心的役割を担う。総勢17チームが国際予選から勝ち抜き、4つの中国代表チームが参戦する。賞金総額は過去最大となる5百万ドル超(約7億円超)に達し、各国リージョンの代表が最強の座を競い合う。
大会フォーマットは「スイスラウンド」方式を含む多段階トーナメント形式。上海での試合は、グループステージもしくは準決勝・決勝に合わせて最大のフィナーレを迎えることになる。
—
現地情勢と課題
中国政府によるeスポーツ推進と規制のバランスも注目点だ。上海はビザ発給や治安管理が厳格だが、観光インフラと国際アクセスが非常に高い。訪れるファン向けにはAlipayやWeChat Payなど現地キャッシュレス決済の導入が進み、外国人でも快適に観戦を楽しめる工夫が随所に施されている。
ただし、国内での視聴者数と国際的な配信規模にはややギャップも存在し、国内人気がとくに高い一方、英語圏での観戦体験も今後の課題となる。
—
上海のWorlds 2025が意味するもの
今回のWorlds2025上海会場は、純粋なスポーツイベントを超えて「国際文化交流+超高速ITエンターテインメント」の象徴となる。地元LPLファンの熱狂、巨大な資金と設備投資、グローバルブランドとの協賛により、世界中が注目する一大フェスティバルへと進化しつつある。
総じて、上海を舞台に繰り広げられる勝負の舞台は、中国eスポーツの象徴的な繁栄とグローバルなLeague of Legends競技の未来を鮮烈に映し出すものとなる。その熱戦を通じ、LoLという競技は新たな次元に到達するだろう。