東京ゲームショウ2025(TGS2025)は、「遊びきれない、無限の遊び場」をテーマに、9月25日から28日の4日間、千葉県・幕張メッセ全館を使用して開催されました。今年は例年にも増して、未来のゲーム体験が集結し、技術革新と新世代のエンターテインメントが体感できる場となりました。なかでも注目された一つのトピックとして、「フルボディトラッキング技術を用いた次世代バーチャルリアリティ(VR)体験」の展示があります【2】。
フルボディトラッキング搭載次世代VRゲーム体験の概要
これまでのVR体験は、頭部や手先など一部の動きしか反映できないものが主流でした。2025年の東京ゲームショウでは、より高度な「フルボディトラッキング」技術を搭載した新しいゲーミングシステムが多数体験展示され、プレイヤー自身の全身動作がそのまま仮想空間内のアバターへとリアルタイムで反映される環境が実現されています。
この技術は、足、腰、肘、膝といった全関節に対応する小型・軽量センサーを身体に装着することで、ユーザーの全身動作やポーズ、微細な体重移動までも精確にトラッキングするものです。例えば、プレイヤーが実際にジャンプすれば仮想空間内のキャラクターも同様にジャンプし、ダンスパフォーマンスや格闘、スポーツゲームなどを全身運動で楽しむことができます。
体験型イベントならではの没入感とエンターテインメント性
TGS2025の会場には、複数の企業ブースでこのフルボディトラッキング技術を軸にしたゲームやコンテンツが出展されました。注目すべきは、人気タイトルの新作デモ体験をはじめ、ダンスパフォーマンスを競うeスポーツイベントや、プロダンサーと来場者が協力してショーを構築するステージまで、多様な形で未来の体験が提供された点です【2】。
特に来場者の注目を集めたのは、複数人の参加者が同時に1つの仮想空間でダンスやアクションゲームに挑戦するマルチプレイ型の体験ブースです。リアルタイム通信技術の発達も相まって、離れた場所のユーザー同士が同じ空間にいるかのように身体的交流を楽しむことができました。この体験は、単なるゲームプレイの域を超え、エンターテインメントとスポーツ、ひいては教育やリハビリテーションへの応用可能性も示しています。
技術的進化と今後の展望
2025年の最新フルボディトラッキングシステムは、従来よりも大幅にデバイスの小型・軽量化が進んでいる点、そしてAIによる誤動作補正・予測技術によって遅延や認識ミスがほぼない滑らかな体験を実現している点が特徴です。加えて、ワイヤレス通信による接続安定性向上や、仮想現実世界内で得られる視覚・聴覚フィードバックの高品位化も著しく、従来型VRにあった“違和感”を大幅に減らすことができました【2】。
また、パートナー企業によるAI・IoT連携技術との融合も進み、屋内外の空間を問わずさまざまな用途展開が期待されています。例として、都市空間のAR/MR(拡張・複合現実)化や、遠隔地でのリモートイベント、リハビリやスポーツ指導ともシームレスにつながる未来志向の応用も現実味を帯びています。
社会へのインパクト:国際化・アクセシビリティの推進
TGS2025では、国籍・年齢・性別を問わず誰もが参加できる開かれた体験の提供も重視されました。フルボディトラッキングの一部ブースでは、身体に障害のある方も安心して体験可能な調整プログラムや、キッズバージョンも導入されて好評を博しました。また、同時通訳・多言語表示によるインターナショナル対応も強化され、海外の来場者からは「未来のエンタメのグローバルスタンダードがここにある」と高く評価されています【1】。
総括
東京ゲームショウ2025は、フルボディトラッキングをはじめとする最先端技術の「見本市」として、単なる新作発表会ではなく、会場に集ったすべての人が未来のゲーム体験を身体で味わい、次世代エンターテインメントの社会実装を先取りできる絶好の機会となりました。この技術が今後、エンターテインメントの枠を超え、教育や医療など生活のさまざまな場面で拡大していくことが期待されます。