暗号資産市場において、リップル(XRP)とドージコイン(DOGE)はともに、重要な「心理的節目」を巡る攻防が続いている。両銘柄とも中立的なレンジで推移しているが、その背景には市場特有の需給構造、マクロ経済要因、そして直近のイベント期待が交錯し、投資家の心理が大きく反映されている。
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リップル(XRP)の3ドル攻防 ― 市場心理への影響
2025年9月現在、リップル(XRP)は3.0ドルの節目を巡る膠着状態が続いている。価格は2.95〜3.15ドルのレンジで推移し、「3ドル」に対する市場の関心が極めて高い。特に、米国での訴訟問題の収束・和解が中長期の制度面での不確実性低下となり、3ドル台定着への期待感が価格を一定水準で下支えしている。
テクニカル分析の観点から見ると、
– 3.00ドル付近が強いサポートになっており、投げ売りが出にくい状況
– 3.10〜3.30ドルにかけては強いレジスタンスが集中し、明確なブレイクには出来高増が不可欠
– 日足ベースのRSI(相対力指数)は「中立圏」(40~60)で収斂傾向、過大な売り買いバランスの偏りは現段階で見られない
チャート分析でも、日足短期移動平均線(HMA)付近では売り圧力が強くなるものの、1時間足や4時間足レベルでは上昇トレンドが維持されている。特に、本日早朝には米金利引き下げ報道という外部要因が一時的なボラティリティをもたらしたが、その後は持ち直し、3.08ドル付近まで水準を切り上げている。
テクニカル指標も、MACD(移動平均収束拡散手法)はプラス圏を維持、加えてダウ理論で短期トレンドの上昇が認められることから、しっかりとした買い圧が一定層で働いているのが現状だ。今後、1時間足長期HMAを下回らず、日足短期HMAを明確に上抜けた際には、4時間足のボリンジャーバンド上限付近までのさらなる上昇が期待されるとされる。
心理的節目3ドルの意味合い
多くの投資家・トレーダーにとって、「3ドル」は単なる数字以上の意味を持つ。過去の高値や史上最高値接近時と同様、節目価格では大口投資家によるポジション調整、ストップロス、逆指値などが集中しやすい。特に暗号資産市場は価格変動が激しいため、主要な節目を明確にブレイクするか否かは、その後のトレンド転換を占う上で極めて重要なシグナルとなる。
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ドージコイン(DOGE)の25セント接近 ― 出来高とセンチメントの連動
一方、ドージコインは2025年9月に週間10%超の上昇パフォーマンスを記録し、0.25ドル(25セント)が明確なサポート帯として意識されている。値動きが比較的に緩やかなビットコインとは対照的に、「中堅以下アルトコイン物色」の傾向が続いており、市場全体のリスク志向が高まっている局面と言える。
テクニカル面では、
– 0.25ドルが目先の重要サポート
– 次の支持帯は0.21~0.22ドル
– レジスタンスは0.28〜0.30ドルとされ、直近の攻防では出来高の増加によるブレイクアウト可否が注目点
– RSIも中立圏で推移し、買いが過熱していない分、上下どちらの方向にも動きやすい状態
また、直近では現物ETF上場という材料も市場の注目度を高めるきっかけとなり、流動性の面でも新たなプレイヤー参入が観測されている。
25セントの攻防―市場心理
ドージコインはミームコインの中でも支持層が厚く、0.25ドルを下回ると心理的な売りが出やすい一方、ここを死守すれば再び0.28~0.30ドル台への上昇モメンタムが強まる。特に出来高が伴った上値ブレイクの場合、短期間で急伸する可能性も秘めており、典型的な「イベントドリブン型トレード」の舞台といえる。
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今後の注目ポイント
– リップルは3ドル定着の有無が中期間のトレンド判断材料
– ドージコインは0.25ドル死守と出来高連動のブレイクがトリガー
– いずれもRSIではニュートラル(中立)圏に収れん、両建て戦略や短期売買が有利な局面
– 外部環境(米金融政策、ETF動向)が引き続き変動要因
両銘柄とも、短中期の心理的節目に市場参加者の思惑が集まりやすい状況が継続している。投資判断にはテクニカルだけでなく、市場センチメントやイベント要因のインパクトにも留意が必要である。