チェスがeスポーツの新舞台として登場し、EWC2025(Esports World Cup 2025)で異業種コラボレーションの新しい展開が話題となっています。従来のデジタルゲーム中心だったeスポーツ競技の中で、ボードゲームであるチェスが採用されたことは業界の進化を示す象徴的な出来事です。今回はこのチェス参入を軸に、EWC2025で進化する異業種コラボの最新動向について解説します。
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EWC2025でチェスが採用された意義
EWC2025はサウジアラビア・リヤドを舞台に、世界最大規模の賞金総額と参加種目の多様性を誇るグローバルeスポーツ大会です。2025年大会では全25種目が予定され、その中にチェスが含まれることは、デジタルゲームとボードゲームを融合した新たなeスポーツ像の提案といえます。賞金総額は7000万ドル(約100億円)を超え、チェスをはじめ伝統的競技にも高額賞金が割り当てられ、プレイヤー層・視聴者層の拡大が狙われています。
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チェスとeスポーツの異業種コラボレーション
今回のEWC2025では、従来の格闘ゲーム(ストリートファイター6、鉄拳8など)に加え、ボードゲームであるチェスが競技種目入りしたことによる異業種コラボが進化しています。チェスはAIやテクノロジーとの親和性が高く、オンライン対局プラットフォームの発展やAI解析による戦術進化も注目されてきました。EWC大会側は、デジタルとアナログの境界線を突破し、ゲーミングチームの枠組みでチェスのトッププレイヤーを囲う形を導入。これによって、既存のeスポーツチームがチェス専門選手と組み、チーム単位でのランキング争いや賞金獲得に挑む、新たな競技モデルが誕生しています。
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進化する大会システムとエンターテインメント性
従来、チェスは個人競技の印象が強かったものの、EWCではゲーミングチームやクラブ単位のエンターテインメント性を強化。例えば、チームランキング制度やトロフィーシステム、複数種目への同一選手出場など、競技フォーマットも大幅にアップデートされています。さらにオフラインイベントに現地応援ツアーを設置し、異種ジャンルのファンの交流や、リアルとバーチャルの融合体験を推進。日本からもREJECT、ZETA DIVISIONなどのプロチームが現地観戦ツアーを発表し、チェスおよび格闘ゲームのトッププレイヤーが同じステージで活躍するという“共闘”が実現します。
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AI・テクノロジー企業との連携拡大
チェス分野はAI開発やテクノロジー企業とも親和性が高く、EWC2025参加により、プレイヤーだけでなくAI解析提供企業やデータ分析ベンチャーとのコラボレーションが加速すると期待されています。実際、大会運営では試合データのリアルタイム解析や、視聴者インタラクションの拡充、パフォーマンス向上のためのAIアシストツールなどが導入。これにより、競技としてのチェスのみならず、eスポーツビジネスの新しい枠組みが構築されているのです。
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世界規模で広がる異業種連携のシナジー
今回のEWC2025でのチェス採用は、「単なる種目追加」ではなく、既存eスポーツシーンとアナログゲーム界、さらにはテクノロジー産業まで巻き込んだ複合的なコラボレーション事例となっています。これによって、従来のゲーム観戦者だけではなく、歴史あるボードゲーム愛好家や教育分野への波及も見込まれ、eスポーツ産業の裾野がさらに拡大する契機となっています。
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EWC2025で異業種コラボがもたらす未来像
EWC2025におけるチェスの登場は、eスポーツにおける「ゲームの垣根」を突き破り、テクノロジー・教育・エンターテインメント・スポーツなど複数領域の融合体験を創出しています。世界有数のゲーミングチームがチェスプレイヤーを迎え入れることで、個人戦と団体戦を横断したエキサイティングな戦いが繰り広げられ、戦略・技能・エンターテインメントがより多面的に進化する舞台となるでしょう。
今後もEWCシリーズや他のeスポーツ大会でも、非デジタル分野・異業種とのコラボレーション拡大が期待されており、“チェスeスポーツ化”がもたらす波及効果は業界全体へ大きなインパクトを与えることになります。