千葉工業大学は、2025年度から「web3・AI概論」と題した新しいプログラムを開始し、次世代のデジタル人材育成を推進しています。このプログラムは、従来の「web3概論」に基づき、生成AI技術とweb3を融合させたもので、先進的なカリキュラムを提供します。
プログラムの背景
デジタル技術の急速な進化により、ビジネスの在り方が大きく変化しています。特に、ブロックチェーン技術を基盤とするweb3や、ChatGPTに代表される生成AI技術の台頭は、新たなイノベーションの可能性を切り拓いています。このような変革期において、テクノロジーを実践的に活用できる人材の育成が急務となっています。
プログラムの特徴
実践的なプロダクト開発
– 受講生は、顧客インタビューから始まり、プロトタイプ開発、検証を繰り返しながら、実際にサービスやアプリケーションをローンチすることを目指します。「作って終わり」ではなく、実用に耐えうるプロダクトの開発に挑戦します。
生成AIやノーコードツールの活用
– ChatGPTなどの生成AIを開発プロセスに組み込み、Create.xyzやReplit AgentなどのAIエージェントを活用しながら、より効率的で創造的なプロダクト開発を実現します。アイデア創出からコーディング、デバッグまで、AIを活用した最新の開発手法を学びます。
web3×AI統合による革新的アプローチ
– ブロックチェーン、NFT、スマートコントラクトなどのweb3技術と、最新の生成AI技術を組み合わせた革新的なプロダクト開発に挑戦します。
世界水準の教材の活用
– 千葉工業大学とアリゾナ州立大学(ASU)の連携協定を活かして、ASUのソフトウェアエンジニアリング教材とイーサリアム・ファウンデーションが開発したUethプログラムを組み合わせた独自のカリキュラムを展開します。反転学習方式を採用することで、授業時間の大半を実践的なプロダクト開発に充てることができます。
受講を通じて得られること
テクノロジー実装力
– web3やAIといった最新のデジタル技術に触れながら、実際のプロダクト開発を体験することができます。プログラミングの経験に関係なく、ノーコードツールも活用しながら、自分のアイデアを形にすることを目指します。
プロジェクトマネジメント力
– 受講生同士で学び合いながら、顧客インタビューやプロトタイプ開発に取り組むことができます。顧客インタビューを通じた課題発見、プロトタイプを用いた仮説検証という一連のプロセスを実践的に運用できるようになります。チーム開発を通じて、コミュニケーション力やプロジェクトマネジメントのスキルを磨きます。
問題解決力
– ChatGPTなどの生成AIを積極的に活用しながら、プロダクト開発に取り組みます。急速に進化するデジタル技術を実践的に学び、ビジネスでの活用方法を習得。次世代のデジタル時代を切り拓く問題解決力を身につけます。
修了証とコミュニティ
– 修了証(NFT/デジタル学修歴証明書)
– 一定の課題をこなし、プロダクト開発とローンチまでを完遂した方にNFT形式の修了証を発行します。この修了証は、web3技術とAI実装の実践的なスキルを証明するものとして、就職活動やキャリアアピールに活用できます。さらに、ブロックチェーン上で永続的に記録されるため、偽造不可能な形でスキルを証明することができます。
– 修了生コミュニティ
– 本プログラムでは、300名以上の修了生が参加する活発なコミュニティを形成しています。Discordを通じた24時間の質問対応体制、定期的な勉強会、および現役エンジニアとの交流イベントなど、継続的な学びの場を提供しています。コミュニティメンバーの多くが第一線で活躍しており、最新のweb3やAI技術のトレンド情報を共有し合える貴重なネットワークとなっています。
これまでの成果
– 受講者数と成果
– 2023年度、2024年度は全国から600名以上の社会人・学生が受講しました。複数の受講生がセプテーニやCode for Japanでのインターンシップを経験し、実際の就職内定にも結びついています。また、本講座でweb3の開発に目覚め、海外のハッカソンに挑戦し受賞する受講生も現れました。実際のプロダクトローンチまでを目指す実践的なプログラムとして、高い評価をいただいています。
千葉工業大学の「web3・AI概論」プログラムは、次世代のデジタルイノベーターを育成するための重要なステップとなり、技術的なスキルだけでなく、実践的なプロダクト開発能力とビジネス感覚を兼ね備えた人材の育成を目指しています。