MicroStrategy、ビットコイン保有量拡大で2025年初来4.1%の利回りを達成
Strategy(旧MicroStrategy)が2025年初頭から積極的なビットコイン購入戦略を展開し、その結果、2025年2月10日時点で4.1%の利回りを達成したことが明らかになった。同社は2024年第4四半期に過去最大規模のビットコイン購入を実施し、現在の保有量は478,740BTCに達している。
同社の共同創設者であるマイケル・セイラーは、SNS上で1週間の沈黙を破り、さらなるビットコイン取得を示唆する投稿を行った。この動きは、同社がブランド再編を経て、ビットコインと人工知能の革新に注力する姿勢を強調していることと一致している。
Strategyの最新の財務報告によると、同社のビットコイン保有額は約453億ドルに達している。これは、1BTCあたりの平均取得価格が約65,033ドルであることを示している。現在のビットコイン価格と比較すると、同社の投資は既に大幅な含み益を生み出していることが分かる。
特筆すべきは、同社が2024年第4四半期の決算報告でソフトウェア事業の売上減少と6億4,000万ドルの損失を計上したにもかかわらず、ビットコイン取得の方針を堅持していることだ。この戦略は、従来の企業経営の枠を超えた新たなモデルを提示しており、デジタル資産分野におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立しようとする同社の意図を明確に示している。
Strategyの積極的なビットコイン購入は、機関投資家のデジタル資産に対する関心の高まりを象徴している。米国におけるデジタル資産規制の枠組み整備が進む中、企業の資産運用戦略に新たな潮流を生み出している。特に、同社が継続的にビットコインを購入し続けることは、市場の流動性や価格の安定性に一定の影響を与える可能性がある。
2025年のビットコイン市場に対して、Strategyは強気な見通しを維持している。同社が注目する要素として、米国のデジタル資産規制の整備、政治的支援の拡大、ビットコインETFの改善、機関投資家の採用進展が挙げられている。これらの要因が進展すれば、ビットコインの価格上昇を後押しし、同社の投資戦略の成功につながる可能性が高い。
一方で、この戦略にはリスクも内包している。ビットコイン価格が急落した場合、同社の財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。実際、Strategyの株価はビットコインの価格変動と強く相関しており、過去最高値から約40%下落している。しかし、重要なサポートラインである200日EMAを維持しており、投資家の信頼は依然として高いと言える。
Strategyの CEO フォン・リーは、ビットコインと人工知能を21世紀を象徴する技術と位置付け、これらに注力する姿勢を強調している。この方針は、単なる投資戦略にとどまらず、企業の長期的なビジョンを反映したものと言える。
2025年に向けて、Strategyがどのようにビットコイン市場に対応し、成長戦略を維持するかが注目される。企業の財務戦略としてのビットコイン活用が成功するかどうかは、規制環境の変化や市場動向に大きく依存している。しかし、現時点での4.1%の利回り達成は、同社の戦略が短期的には成功を収めていることを示している。
今後、他の大手企業や機関投資家がStrategyの戦略に追随するかどうかも、ビットコイン市場の動向を左右する重要な要素となるだろう。デジタル資産が企業の財務戦略において中心的な役割を果たす時代が本格的に到来しつつあることを、Strategyの事例は如実に物語っている。