ホーム自動生成AINTT、IOWN技術を活用した遠隔施工管理システムで建設業界を革新

NTT、IOWN技術を活用した遠隔施工管理システムで建設業界を革新

NTTと安藤ハザマはIOWN技術を活用し、従来の施工管理手法を大きく変革する「遠隔施工管理システム」の実現に向けた取組みを本格化させている。特に山岳トンネル工事を対象とした業務の遠隔・自動化に関する実証と指針策定が急速に進んでおり、建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進における先端事例として大きな注目を集めている。

IOWN技術とは ― 建設業界にもたらすポテンシャル
NTTが開発を推進するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は、従来の通信ネットワークを超えた「超高容量」「超低遅延」「極低消費電力」を実現する次世代インフラである。これにより、現場と遠隔地を結ぶ大容量・リアルタイム通信や膨大なデータの即時活用が可能になり、従来は現地対応が必須だった施工管理の多くの業務を、場所に縛られず遂行できる環境が整う。

1,000km遠隔地からのリアルタイム施工管理
NTTと安藤ハザマは、最大1,000km離れた拠点(施工者・発注者オフィス、データセンタ等)をIOWN APN(All-Photonics Network)で接続し、トンネル工事現場の状況をリアルタイムで可視化・指示するシナリオを策定した。これにより、熟練作業者が遠隔地から現場の進捗や安全状況を把握、必要な対応を即座に指示できるようになる。実際の山岳トンネル工事現場は粉塵・高湿・高温など厳しい環境で人員確保が難しいが、この仕組みを活用することで現場常駐人員を減らし、安全・生産性の両面で大きな進歩が期待されている。

業界初の「IOWN Global Forum」承認ドキュメント公開
2025年8月、この取り組みの評価・実装指針まとめた「Use Case and Technology Evaluation Criteria – Construction Site」ドキュメントが、IOWN Global Forumによって建設業界では初めて承認・公開された。文書では、現場の課題分析を反映した4つの先行ユースケース
– 現場状況の高精度モニタリング
– 動画/センサーデータのリアルタイム伝送と分析
– 遠隔地からの作業指示・管理
– 危険個所の即時検知・安全見守り
が掲げられ、それぞれ必要とされる通信要件や実装上の評価基準も明示されている。

今後の展開 ― 2026年3月までの実証実験へ
両社は2026年3月までに実証実験を開始し、4つのユースケースごとに有効性や実装可能性の詳細な評価を進める。今後はパートナー企業や関係先との連携を強化し、オープンなエコシステム形成を目指す。その先には、山岳トンネル工事のみならず道路・鉄道・港湾・大規模都市開発といったあらゆる建設現場への応用も見据えている。

これからの建設現場の姿
現場中心、熟練者依存だった従来の建設工程は、IOWN技術の実装によって「データ主導」「遠隔・自動」の時代へ移行する見通しである。こうした技術変革は、人口減・人材不足が深刻化する建設業界にとって「安全性」「生産性」「省力化」を実現するだけでなく、産業構造そのものの再設計を促す起爆剤ともなりうる。現場と遠隔の間で実時間・大容量データ連携を実現できるIOWNの動向は、今後も建設DXの最前線として大いに注目されることは間違いない。

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