BTO(Build To Order)パソコン企業は、顧客の要望に応じてパーツや仕様を柔軟に選択できるサービスと、初心者でも安心して導入・運用できる手厚いサポート体制の強化で競争を深めています。その中から、パソコン購入時の「下取りサービス」と初心者向けのカスタマイズ・サポートに焦点を当て、最新の動向や特徴について解説します。
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パソコン下取りサービスの進化
近年、BTOパソコン企業では、「新しいPCが欲しいが、今使っている古いパソコンの処分が不安」「ショップに持込む時間がない」といった初心者層の声に応えるべく、パソコン下取りサービスを強化しています。このサービスは、不要になったPCを自宅から無料で回収し、買い替え時に最大約5万円分のポイント還元といった大幅な特典が用意されるなど、コスト面での負担軽減が特徴です。買い替えサイクルが短くなっているビジネスや教育の現場、あるいはOSサポート終了(Windows 10からWindows 11への移行など)をきっかけに買い替えを検討する人にとって、こうしたサポートは大きな安心材料となります。
また、下取り引取時の宅配送料も企業負担で無料、本体のみで付属品不要等シンプルな申込手順が設けられており、初心者にも負担が少なくなっています。公式サイトのカスタマイズ画面からオプション選択できるため、PC知識の少ない層にも分かりやすく設計されています。
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初心者に優しいカスタマイズの仕組み
BTO企業では、パソコンのCPUやメモリ、ストレージの容量だけでなく、OSの種類やセキュリティソフト、Microsoft Officeソフトの有無、保証年数の延長など、多岐にわたるカスタマイズが可能です。パーツ選定がわかりやすいガイドや、用途別(「動画編集向け」「テレワーク入門」「ゲーミング初級」等)のおすすめ構成例も豊富に掲載されており、初心者でも迷いにくい仕組みとなっています。
たとえば、BTO大手ではWindows 11 Proへのアップグレードをおすすめとして案内。セキュリティ強化(BitLocker、情報保護機能)、グループポリシー管理など企業・教育機関に必要な機能を標準装備できるほか、Windows Updateの管理など初心者に配慮したアドバイスがされています。さらに、正規ライセンス付きのDSP版Windowsが同梱されるため、万一のトラブル時はリカバリメディアで簡単に元に戻せる安心感も人気の理由です。
また、オフィスソフトなど日常利用に欠かせないアプリケーションのプリインストールサービスも選択式になっており、パソコンと同時購入を推奨することで後日購入よりも割安な価格設定を実現。ライセンス認証からインストール方法まで丁寧な解説がつき、初心者でもスムーズに使いはじめられる配慮がなされています。
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国内生産と品質へのこだわり
もうひとつ注目すべきポイントは、国内生産を貫くBTO企業の増加と、その品質管理体制です。iiyama PCなどは、製品を日本国内の工場で一台ずつ生産・検査してから出荷し、不具合発生時のアフターサポートも国内拠点で迅速対応。こうした対応は「万一の時も安心」「海外メーカーよりも信頼できる」という国内ユーザーからの評価につながっています。
納期も柔軟で、注文から数日~1週間程度で出荷される例が多く、カスタマイズした商品の割にスピーディな導入が可能。万一の初期不良やパーツ不調時も、国内サポートセンターによる迅速な代替品発送や、専用ダイヤル・チャットでの初心者対応窓口など、手厚いサービスが実現しています。
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今後のトレンド:初心者のための「ワンストップ」ソリューション
BTO業界全体が目指しているのは、購入から初期設定、カスタマイズ、利用サポート、旧機種処分まで一気通貫のワンストップ対応です。特にサポート面では、電話・チャット・メール・リモートサポートといった多様なチャネルを整備している企業が増え、パソコン“導入後”も気軽に相談できる体制が新たな利用者層を呼び込む形となっています。
こうしたサービスの進化が、知識や経験の少ない初心者でも安心して自分だけのPC環境を構築できる背景となっています。
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BTOパソコンの発展は、多様なユーザーニーズをきめ細かく拾い上げ、初心者でも迷わず使い始められる“安心”と“自由”を基盤としたサービス競争の結果です。今後も下取りサービスやサポート体制、カスタマイズの分かりやすさといった“ユーザー目線”の取り組みは、BTO企業の競争力の柱となることが予想されます。