サイコムが2025年10月31日に発売した「G-Master Velox III AMD Edition」は、AMD Ryzen 9000シリーズとNVIDIA GeForce RTX 5060を標準搭載した、ハイコストパフォーマンスなBTOゲーミングPCである。本稿では、その中核製品「Ryzen 9000×RTX 5060」構成に着目し、スペックや設計、ユーザー層ごとの評価まで徹底的に解説する。
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■最新Ryzen 9000シリーズの採用──一新されたCPUパフォーマンス
最大の注目ポイントは、AMDの最新アーキテクチャ「Zen 5」をベースとしたRyzen 9000シリーズを全モデルで採用している点だ。Ryzen 5 9600(6コア/12スレッド, TDP 65W)がエントリー構成となっており、シングル・マルチ両面で前世代より高いパフォーマンスを実現する。消費電力も抑えめで、長時間使用時の発熱対策としても優秀だ。ラインナップには、上位モデルとしてRyzen 7 9700X(8コア16スレッド)、Ryzen 9 9900X(12コア24スレッド)、そして極めつけはRyzen 9 9950X3D(16コア32スレッド, 3D V-Cache搭載)が揃う。これにより、ゲームだけでなく配信・動画編集・AI生成など多様なワークロードに対応できる。
■RTX 5060搭載──“Ada”アーキテクチャ新世代GPU
グラフィックス性能の要となるのは、NVIDIAの最新世代「RTX 5060」。Ada Lovelaceアーキテクチャに基づき、AIレンダリング機能「DLSS 3.5」やフレーム生成に対応。従来比でレイトレーシングやAI処理の効率が大きく向上し、従来グレードの“60番台”にもかかわらず、重量級タイトルやクリエイター向け用途にも十分なパワーを備える。メモリは8GB GDDR7を搭載し、省電力かつ高性能を両立。
■冷却&静音性──Noctua製クーラー標準搭載
ハイパワーPCらしい発熱対策も万全。定評あるNoctua製空冷CPUクーラーが標準装備され、冷却と静音性を高水準で実現する。PCケースにはFractal Design Pop Silentを採用、内部エアフローと遮音性にも配慮されている。
■価格と構成例──“標準構成が最適解”
価格はRyzen 5 9600+RTX 5060構成・Windows 11標準で税込21万2440円からと、最新世代パーツを考えれば極めてリーズナブル。同構成であればフルHD/高リフレッシュレート環境のゲーミングや、一般的なクリエイティブ用途にも“何不自由なく”対応できる。Ryzen 7 9700X搭載なら税込23万6580円、Ryzen 9 9950X3D搭載で税込31万9010円と、用途・予算に応じて柔軟にグレードアップできるのも大きな特徴だ。
■サイコム独自のBTO設計思想
サイコムの「G-Master Velox」シリーズは「標準構成のままで最適なバランス」を重視して開発された。メモリやストレージなどのパーツ選定で迷うことなく、初級者でも上級者でも満足できる完成度に仕上がっている。組み立てから検査まで国内一貫生産で品質管理も徹底されており、初期不良や相性問題の確率も極めて低い。
■ターゲットユーザーと活用シーン
このモデルの強みは、いわゆる「万能機」としてのポテンシャルの高さだ。主なターゲットは、これからゲーミングPCを新調したい人や、コストパフォーマンスを重視したい層。さらに動画編集・配信・AI生成など最新世代の高性能が求められる作業も想定して設計されている。RTX 5060の8GB GDDR7や、マルチコアCPU構成によって、ゲームプレイだけでなく、複数タスク同時処理やクリエイティブワークも快適。
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■総評──“コスパ最強”新時代の標準BTO
「G-Master Velox III AMD Edition」は、2025年時点で“次世代スタンダード”と呼ぶにふさわしいBTOマシンだ。Ryzen 9000シリーズの高効率・高性能と、RTX 5060の最新機能が、冷却・静音・拡張性といったサイコムならではの付加価値と融合。従来の“コスパモデル”の常識を塗り替える完成度となっている。これからPC購入を控えるユーザーにとって、最も有力な選択肢の一つと言えるだろう。



