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インテル、AI半導体市場での競争力強化を目指す新たな取り組み

インテル、AI半導体市場での競争力強化に向けた新ロードマップを発表

半導体大手の米インテルが、AI半導体市場での競争力強化を目指す新たなロードマップを発表した。2027年までに1.4ナノメートル相当の最先端プロセス技術の開発を目指すという野心的な計画だ。

インテルは21日(現地時間)、カリフォルニア州サンノゼで開催されたファウンドリーサービス(IFS)に関する初のイベントで、この新ロードマップを公開した。同社は独自の名称でプロセス技術を表現しており、1.4ナノメートル相当のプロセスは業界最先端の技術となる見込みだ。

この新ロードマップは、台湾TSMCや韓国サムスン電子といった強力な競合他社に対抗するインテルの決意表明とも言える。TSMCとサムスンは既に2ナノメートルプロセスの量産に向けた準備を進めており、インテルはこの競争に参入する姿勢を明確にした形だ。

さらに注目すべきは、インテルがAI向け半導体の製造受託(ファウンドリー)事業にも本格参入する方針を示したことだ。AI関連の半導体需要が急増する中、この分野での存在感を高めることで、インテルは総合的な競争力の強化を図る。

インテルCEOのパット・ゲルシンガー氏は「我々は半導体業界のリーダーシップを取り戻すべく、全力を尽くしている」と述べ、今回の新ロードマップへの自信を示した。同氏は就任以来、インテルの製造能力強化と技術革新の加速を掲げており、今回の発表はその方針の具体化と言える。

新ロードマップの中で特に注目されるのは、2025年に予定されている「Intel 18A」プロセスだ。これは1.8ナノメートル相当の技術とされ、TSMCやサムスンと肩を並べる最先端プロセスとなる。さらに2027年には「Intel 14A」(1.4ナノメートル相当)の実現を目指すという。

これらの先端プロセス技術は、より小型で高性能、低消費電力の半導体チップの製造を可能にする。特にAI処理に特化したチップの需要が高まる中、こうした技術の重要性は一層増している。

インテルは同時に、AIチップの設計・製造に特化した新たなサービス「IFS AI」も発表した。これは、AI企業やスタートアップが独自のAIチップを設計・製造する際のサポートを提供するもので、インテルの持つ豊富な経験と最新技術を活用できる。

この「IFS AI」サービスには、チップ設計ツールやIP(知的財産)、製造プロセス、パッケージング技術など、AIチップ開発に必要な包括的なソリューションが含まれる。インテルはこれにより、急成長するAI半導体市場でのシェア拡大を狙う。

業界アナリストらは、インテルの今回の発表を概ね肯定的に評価している。ある半導体業界の専門家は「インテルが製造技術で遅れを取り戻しつつあることを示す重要な一歩だ」とコメント。一方で「TSMCやサムスンとの激しい競争が続く中、計画通りに技術開発を進められるかが鍵となる」と指摘した。

インテルの新ロードマップ発表は、AI時代における半導体業界の競争激化を象徴するものだ。今後、各社の技術開発競争がさらに加速することは必至で、その行方が世界のテクノロジー産業の未来を左右すると言っても過言ではないだろう。

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